最近は目的や理念が大事だという事がよく言われています。 大企業でもほとんどがホームページに行けば、企業理念が書かれています。
しかし、最初からその理念はあったのでしょうか。
最初から理念を持って経営されている方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの場合、目の前にチャンスがあったから、とにかく経営者になりたかったからという理由が多いのではないでしょうか。
今回は、薬局経営において理念は必要なのか、という事をお話したいと思います。
誰のために経営するのか?
薬局経営において、顧客とは?と質問すると、ほとんどの方が患者さん。と答えます。
連携する医師や看護師、施設職員、あるいはメーカーの方や卸の方という方もいらっしゃいます。もちろん、正解です。
ただし、もっと身近な方で忘れがちな方がいないでしょうか?
それは、薬局の職員です。
社外の方、特に料金をいただく方に対しては顧客という認識を持つ方は多いのですが、社内の方に対して顧客だという認識を持っている方は、意外と少ないのではないでしょうか?
自分は顧客だと思って接しているよ、という方もいらっしゃるかもしれません。
では、その職員さんからこの薬局に勤めて良かった、この会社が好きです、という言葉を聞いた事はありますか?
その理由もあわせて、自発的にその言葉が聞ける薬局は素晴らしい薬局だと思います。
良い薬局とはどんな薬局?
では、患者や連携する他職種の方、薬局の職員にとって良い薬局とはどんな薬局なのでしょうか?
結論から言うと、それが理念なのです。
起業する前だと、事業内容や顧客像のイメージがつきにくく、なかなか理念を考える事が難しいかもしれません。
しかし、今目の前にいる患者や職員にとって良い薬局を考えればイメージしやすいと思います。
なぜ、理念が必要なのか?
それは簡単な答えです。
今、「何をしたら良いのか」を考えやすいからです。
調剤報酬の引き下げや対物業務から対人業務への移行、在宅調剤やオンライン服薬指導の需要増加に新型コロナウィルスの影響。
今までは、門前の病院や診療所があれば儲かっていた薬局も様々な環境の波に押されて閉局する薬局や売却される薬局も年々増えてきています。
目的地(理念)や経路(目標)を決めずに出港する船と、目的地に向かいながら、その環境に合わせて経路を決める船と、どちらに乗りたいですか?
その答えは、船長でも乗組員でも同じだと思います。
つまり、理念や目標は経営者だけでなく、その職員にとっても「良い薬局」に近づくチャンスになり得るのです。
ただし、せっかく決めた目的地や経路も常に意識しなければ、到達する事は難しくなります。
理念や目標も、常に意識できる環境を作る事も大事だと思います。
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